ドキドキ若狭物語⑨

アンタ調子乗っとるやろ。一気にいいねがついたな。5いいね。目標達成する喜びかんじとるやろ?甘く無いで。猫生もな、人生もな甘く無いねん。舐めたらあかんぜ。

 

で、ボクたちはひとしともちづきの3人で、まさと何やってんのかな?ずっと気になって仕方がなかったが、それ以上触れる事は辞めた。

 

ひとしがトイレに行ってくると。するとまたひとしが嬉しそうな顔で走って戻ってくる。

 

おい!トイレの横から声がしたから、窓から顔出したらお風呂じゃん!お風呂の窓が少し開いててさ。

 

うんうん。ボクは必死に聞いていた。

 

それでそれで。

 

男子便器を台にしてさ、身体を乗り出したら、さっきの女の子たちがお風呂に入って見えちゃったぜ!

 

まじで!

 

もちづきとひとしが飛んでまた階段を降りていった。ちょっと待ってよ。ボクもついてった。

 

ひとしが見本を見せる。やべやべ。

 

男子トイレで盛り上がる。早く変われよ。もちづきが身体を乗り出した。

 

やべ。とにかく長い。おいもっちー変わってよ。初めての事で、生唾がとまらない。

 

ちょっとまってよ。ちょっと早くしてよ。

 

ボクは先頭切って走らなかった事を後悔した。するとひとしが、もちづきの隙間に身体を寄せて次は2人で見ている。

 

バカな光景だ。しかしそのひとしともちづきのお尻の後ろで、ぼーっと指を加えて待っているボクのがよっぽどがバカな光景だ。

 

ねえ!ひとし!もっちー早く変わってよ。

 

ごめんごめん。急いで男子便器に足をかけて、窓の隙間を覗くボク。

 

とにかく人生17年の中で、一番ドキドキした経験をする事になる。

せーの。ボクは勇気を出した。

 

すると、もう4人が出てしまう時で、湯煙の中、ふわっとしかボクは見る事が出来なかったんだ。

 

たったそれだけでも、ボクはドキドキが加速したと同時に、ねえねえどうだった?教えて。

 

必死な自分が情けなかった。

 

そして何もなかった様に部屋に戻り、女の子達を待つ。おっおかえり。

 

お風呂お先にごめんなさいね。ボクたちはその後お風呂へ行き、最終話へ突入する事となる。

アンタ最後見せてくれるよな?なんかお気の毒なアンタを応援したい気分になってきちゃったわ。

 

ボク達はお風呂から上がると、まさととフクコが部屋に戻っていて、2人はカップルの様な雰囲気になっていた。

 

ボクが求めていた関係性を、同級生のまさとは叶えていた。羨ましかったが、高校最後の夏。ボクは夢を叶える。

つづく