夢見てた。
こんな一夏の恋。
なあ?まだアンタ続けるんかいな?前回ブログのたまたまの5いいね。
イイ気になってるんじゃないわよ。どこまで続くか楽しみね。きっと2話で終わるわ。
いけると思って偉そうに。タイトルまでちゃっかり変えてきたわね。
ぼくは高校最後の夏に全てをかけていたんだ。でもダメだった。
民宿へのため息の帰り道。
高校最後の夏。何もなく終わってしまうなんて。
こんな事やあんな事。全てが夢のまた夢。それが今のぼくだ。
西日がぼくの背中を照らし出した。映るぼくの影は大きかった。しかし、海の家の窓に映るぼくの姿は小さくて情けなかった。
夕日が海に沈み、真っ暗の中歩く細い道。車もすれ違えない一本道。ぼくの恋はすれ違いすら始まらないんだ。
ビーチから音を出して打ち上がるロケット花火。楽しそうな声も、ぼくには雑音だった。しかし、そこにはぼくが夢見てた景色そのものだった。
誰も話す事なく民宿についた。
無愛想な民宿のお兄さん。ぼく達に話しかける事もなく、忙しそうに夕飯準備。
ぼく達はつまらない表情で2階に上がる。
和室がずらっと並ぶ昭和な建物。廊下を歩くとギシギシ響く不快音。
ふるさとを思い出す、古びた六畳の和室が、襖一枚で6部屋並ぶ。ぼく達の部屋は一番奥。
廊下を歩くと女の子達の声がする。ギシギシ鳴り響く不快音が一切気にならなくなる。
しかし声をかける勇気のないぼく達。今年の夏も終わったなと、扉を開けると、ぼく達の部屋に2人の女性。
え!なんで?
で?で?
なんでやねんな。うちが興味持つわけないやろ?
つづく