リオン君と名古屋に戻り、忙しい毎日。
段々とリオン君一人でお留守番の時間が長くなり。
そんな時、たまたまネットで目にしたのが、岐阜市など中部地方を中心に、保健所で殺処分されるはずだった猫たちの保護・里親募集活動をしている「ライフボート中部」さんのホームページでした。
早速面会の日を予約して行ってきました。
このライフボート中部さん、ホームページ内の「猫の里親になるまでの流れ」を見るとわかるように、他の保護活動をされている団体との最大の違いが
「もし、ご縁を感じたら当日猫を連れて帰れる」
ことです。
https://lifeboat-chubu.net/satooya/cat/process.htm
多くの団体では、猫への虐待を防ぐ、また終生飼育できる方に里親になってもらいたい等々……猫の幸せを願って里親になれる条件を考えられていますから、飼育環境の確認の意味でも当日に連れて帰れることはまずありません。
ライフボートさんも猫達の幸せを願って保護活動を行い、里親を探していることに全く違いはありません。思いは全く一緒です。
ただ、面会を通して、「里親になるために」の様々な説明をする中で「この人なら大丈夫」と感じたら、そしてその人が縁を感じた猫が居たならば……この縁を大切にして、猫が幸せになるチャンスを広げよう、そう考えられているのだと私は思います。
これについては、私はどちらの考えも十分理解できるし、どちらも否定する必要は全く無いと思っています。
同じ志を持つ、猫の幸せを願っているのは間違いないのですから。
方法論は一つである必要は無いと思うのです。
さて、その面会当日。
ケージの中のたくさんの子猫、成猫達。
ニャーニャーと声をあげて「連れてってー!」とアピールする子も居れば、「私は選ばれないでしょ、無理でしょ」と諦めの境地に達しているように見える成猫もいて。
また「あなた達には気を許してないわ。気安く寄らないで」オーラを発している子達もいました。
その中で一際目立つ、ミャーミャーと大きな声で鳴き、ケージの前に身体をグイグイ寄せて必死にアピールするキジ?縞?三毛猫の子猫が居ました。
抱っこさせてもらったら、「連れてって!連れてって!」と更に猛アピール(笑)
これがまさに「縁を感じたら」ですね。
「この子の里親になりたいです!」
と決めました。
スタッフの方の猫達への愛情溢れる言葉、接し方に感銘を受け、譲渡にあたっての丁寧且つしっかりとした説明を聞き
「この子を一生、大切にしよう」
と思い、キャリーケースに子猫を入れて帰ろうとすると……
それまで元気に騒いでいた他の猫達の鳴き声が止み、動きがとまってシーン、となったんです。
みんな、そう、それこそ皆んなでした。
「私は選ばれないでしょ」と諦めの境地の猫、「気安く近寄らないで」という態度の猫達も皆んながね……
「良いなぁ……羨ましいなぁ……」
と私達を、貰われていく子猫を目で追っていたんです。
この時の猫達の目、切なくなる表情を見て
「ああ……何とか皆んな幸せになって欲しい。どうにかできないかな。何か自分にやれることは無いだろうか」
この時の思いが、シャミニヨンを作ることに繋がりました。
できることなら、一人の飼主とずっと一緒に、同じ場所で暮らすことが猫には一番です。
でも、それでは猫達みんな、できるだけ多くの猫を救っていく受け皿が足りないと感じます。
シェアハウスという形は、ベストでは無いかもしれないけど、ベターではある。
猫を飼いたい、一緒に暮らしたい人と、行き場のないかも知れない猫達を救える場所として。
人と猫、どちらも穏やかな気持ちで暮らせる場所でありたい。
そう思っています。
たく